コカの葉が原料のリキュール「コカレロ」とは?危険なの?飲み方は??

数年前からSNSで見かけるようになった、奇妙な形のグラスに入った緑色の液体。

その液体はだんだんとネットニュースやメディアでも取り上げられるようになり、それが「コカレロ」という酒だと知りました。

しかもその酒の原料はコカの葉ということに衝撃!!

え、コカの葉ってあのコカインの原料じゃなかった??

さらにメディアの取り上げ方は「新しいパリピ酒」「クラブで若者に流行中」みたいな感じだったので、不安な気持ちはさらに増大!パリピでも若者でもない僕はなんとなく敬遠すらしていました。笑

ですが、先日酒屋に行ったときに目が合ったんですよ。

コカレロのラベル

この人と!

というわけで、今更ながらコカレロを仕入れてみました。

で、これが飲んでみると中々に美味いんです!

若者でもパリピでもないですが、41歳バーテンダーとしての視点から「コカレロ」を掘り下げてみようかと思います。

お付き合いください!

 

そもそもコカレロってなんなの??

アンデスの民(お祭り中でしょうか?)

「コカレロ」は蒸留酒などの分類上で言うと、リキュールに分類されます。

リキュールとは蒸留酒や醸造酒に果実や薬草、木の実などの香味成分を溶かし込み、砂糖などで甘さを加えた「混成酒」の事です。

カシスやカンパリ、カルーアなどもリキュール!
身近なところだと梅酒なんかもリキュールに分類されます!

リキュールにもカシスなどの果実系やカルーアなどの種子系などがありますが、コカレロは「薬草系」に分類できそうです。

というのも、コカレロに使われている材料はアマゾンガラナ、朝鮮人参、緑茶、生姜、ラベンダー、ジュニパー等を含む社外秘レシピのハーブ(合計17種類)を使用となっているため。

そして上記の他に、コカレロを語るうえで忘れてはならない材料が「コカの葉」。

このコカの葉を始めとした材料は、南米アンデス山脈の渓谷やジャングルの奥深くで育てられているそうです。

コカの葉の種まきは毎年12月から1月にかけて行われていて、若葉から40〜60cmほどに成長したものをアスピと呼ぶそうです。 そのアスピになる頃に栄養分がたっぷりな土壌に移植されるそう。種まきから手間暇をかけて大切に育てられ、収穫までには最低18ヶ月もかかるそうです!

時間をかけて大切に育てられた新緑のコカの葉はアンデスの太陽の下で十分に乾燥された後、蒸留所へ運ばれます。

そしてコカの葉の複雑な風味を最大限に生かすため、植物からエッセンシャルオイルを抽出するために用いる 「蒸気蒸留」という特殊な製法で蒸留されます。

この過程で、コカの葉に含まれる麻薬成分は完全に取り除かれるんだそうです。

違法性はゼロ!安心して飲めますね!!

ここでひとつ気になったのが、ベースとなる蒸留酒の原料はなんなのかってこと。

コカの葉を発酵させて蒸留して蒸溜酒を作っているのではなく、あくまでもベースとなる蒸留酒があるハズ。

ですが、どこをどう調べてもその情報はありません。

輸入元にも電話で確認してみましたが、その情報は持っていないとのことでした。

ここは想像するしかありません。

アンデスと言えば「ピスコ」や「シンガニ」などのマスカットを原料としたブドウの蒸溜酒のイメージ。

おそらくはその辺りの蒸留酒がベースとなっているのでは??

はたまたトウモロコシやジャガイモの栽培が多いイメージもあるので、その辺りの穀物を原料とした蒸留酒がベース??

とも思いましたが、まだ日本には輸入されていないコカの葉そのものを蒸留したお酒なんてのもあるそうです。

うーーん。謎です笑

なにか情報を手に入れたら、改めて!

とにかく何かしらの蒸溜酒に、コカの葉を始めとしたハーブ類で「蒸気蒸留」によって香りつけした、「薬草系」のリキュール。

それが「コカレロ」です!!

あ、そして製造元は「Intrepid Spirits=イントレピッド スピリッツ」というアイルランドの会社でした。南米の会社ではないんですね!

同社が扱うお酒はジンやウィスキーなど種類が豊富、しかもどれもこだわりの強い個性的なお酒ばかりです。

コカレロを作っている会社と知って、なるほど!と納得がいきました笑

 

そんでコカの葉ってなに??

コカの葉

コカの葉って言われてもピンとこないかたも多いハズ。かくいう僕もよく知りません笑

なんとなく、コカ・コーラ(現在は使われていないそう)や麻薬であるコカインの原料になっている、なんて少し怖いイメージもあります。

ですが、調べてみるとコカの葉はアンデスの人々にとっては無くてはならない重要な植物であることがわかりました。

 

「コカ」は南米最古の栽培植物としてもしられ、その歴史は紀元前3000年頃にまで遡れるそうな。

日本では「コカノキ科コカ属」に分類される常緑低木樹なんだそうです。

現地でもそのままコカと呼ばれているそうですが、これは原住民であるアイマラ族の言葉で木を意味する「khoka」が語源になっているそう。

アンデス地方では古くから宗教儀式での捧げものや、薬として親しまれていたそうです。

現代でも乾燥させたコカの葉をそのままかじったり、お茶にしたりしながら伝統的に利用されているそうな。

葉っぱ自体には麻薬成分や依存性はほとんどなく、活力剤くらいの感覚で使われているようです!ユンケルやレッドブルくらいの感覚なのかもしれません。

また、標高の高いアンデス地方においては、高山病の予防として日常的にコカ茶を飲んでいるそう!コカ茶はティーパックでも売られていて、本当に身近なモノなんだそうです。眠気覚ましや集中力増加といった効果もあるので、トラックの運転手や高所での鉱山作業者はコカの葉を噛みながら仕事にあたる習慣まであるそうです!

そしてコカの葉の生産者は「Cocaleros=コカレロス」と呼ばれています。もちろん、これが「コカレロ」の語源となっています。

コカの葉を日常的に使用するボリビア共和国の元大統領も元々はコカレロスだったんだって!

こうして調べてみると、アンデスの人たちにとっては昔から身近にある万能薬であり、聖なる葉っぱでもあるんですね。

コカインなんてものが作られなければ今のような規制や偏見などはなく、現地のコカ栽培者や原住民の人たちもヨソからなんやかんやと言われることもなかったんでしょうねえ。

調べていくうちに、コカの葉とコカインについての悲しい歴史をたくさん目にしました。

あ、ちなみにコカインを作り出したのはヨーロッパ諸国やアメリカです。開発当初は薬として作れられていたそうですが。

ラム酒でもそうでしたが、南米地域のこういうのにはほんっとによく絡んできてますね。。

コカの葉が麻薬であるコカインの原料なのは事実ですが、そもそも面倒な精製なんてことをしなければ、コカインなんかにはならないんですよね。余計な事するよなあ。

話が逸れましたね笑

コカの葉についていろいろ調べていると、現地のかたのこんな言葉を見つけました。

「コカはコカインじゃない!コカは聖なる葉っぱだ!」

まさしくこの通りなんでしょうね。

もちろんコカレロに用いられているのも、アンデス地方に伝わる聖なる葉っぱ「コカ」です!

お間違いなきように!!

 

コカレロの飲み方は?実際に飲んでみた!

 

さて、長々と前置きが続きましたが、どうやって飲むのが美味しいんでしょう?

コカレロの公式ホームページを調べてみると、いろいろな飲み方が紹介されていました。

コカレロ公式ホームページ

まずはストレートで味わってみましょう!

ストレート

コカレロのボトルとグラスに注いだコカレロ

ストレートの場合は「コカ ショット」と呼ぶそうです。

ふむふむ。

色合いからイメージできるような緑っぽい感じのハーブ感。

ジュニパーベリーが含まれているので、ジンのような風味も感じます。

緑茶の青っぽい爽やかさ、ラベンダーの華やかさ、ショウガの風味と辛さもしっかりと感じます。

残念ながらコカの葉をかじったことがないのでコカの風味はわかりませんが、独特のスパイシーさがあります。甘さが効いているので飲みやすいです!

さらに29度というアルコール度数もちょうどいい感じです。ショットで飲むテキーラなどは40度前後。それに比べるとアルコール度数的にも飲みやすいですね!

一時期はショット言えばテキーラ、そしてドイツの薬草酒「イエーガーマイスター」が流行りましたが、イエーガーは苦みも度数もコカレロより強いので、個人的にはコカレロの方が飲みやすいんじゃないかと思います。

個人的には甘みが気になりますが、メーカーおすすめのショットの飲み方にはライムを添えるとありました。

いや、それどころか「生ライムはとても重要な役割を果たします。」とまで!

さっそくライムをひとかじり。

!!!

これは合いますね!!甘く緑っぽい風味のコカレロに、ライムの爽やかな酸味がバシッと合います!

これはライムがあるとないとじゃ全然違うな――!

「コカ ショット」にはライムが必須!よくわかりました!

 

カクテル

お次はカクテルに!アイスティーで割ったりスパークリングワインで割ったりなどいろいろなレシピが紹介されていますが、個人的にはジンっぽいニュアンスを感じたのでトニック割りにしてみます。

 

その名も「コカ トニック」!

コカレロのボトルとバルーングラスで作ったコカトニック

流行りのバルーングラススタイルで。香りがよくわかります。

 

まずはライムを絞らずにトニックで割っただけで味わってみます。

トニックウォーターはフィーバーツリーです。これがまた美味い!ジントニックを作るのにもおすすめ。

 

 

 

ふむ、コカレロのハーブ感と甘さ、トニックの甘苦さはよく合います。割合はコカレロ1に対してトニック4で、アルコール度数は6度ほど。爽やかな風味と低アルコールでグビグビと飲んでしまいます。

これにライムを絞ってみます。ライムは1/8カットにしたものを使いました。

ライムの酸味によって味がキリッと引き締まります。

やはりコカレロはライムとの相性が抜群ですね!トニックにもライムがよく合います。トニックの苦みが引き立っていい感じです。

後味には緑茶のような爽やかさとハーブ感が心地よく残ります。

よりサッパリと味わいたいなら、少しソーダを加えた「ソニック」(トニック+ソーダ)にするのもおすすめです。実際試してみましたが、より甘さが抑えられます。

あ、レシピは

・コカレロ30㎖

・トニック120㎖(ソニックの場合はトニック90㎖、ソーダ30㎖くらい)

で作りましたが、アルコール度数的なパンチが欲しい場合はコカレロを45㎖で作るといいかもしれません。

もしくはジンやウォッカを15㎖くらい加えるのもありかも。そうすればいろいろバリエーションが増やせそう!

「コカ トニック」おすすめです!

 

コカレロと言えばコレ!「コカ ボム」!!


そして真打!これこそがコカレロブームの火付け役「コカ ボム」です!!

コカレロ公式ホームページので紹介されているレシピには

下段(40ml)にお好みの割り材 エナジードリンク・トニックウォーター・コーク・紅茶など、上段(30ml)にキンキンに冷やしたコカレロを注いで、最後にライムを絞ります。

コカレロ公式ホームページより

とあります。

下段てなんぞや、と思いますが専用のボムグラスを見れば一目でわかります。

コカボム専用グラス

これが「コカ ボム」専用グラス!ヒョウタンのような奇妙な形です。

 

この奇妙な形のグラスこそが、僕がSNSで見かけたグラスです!

そしてこのグラスこそがコカレロの象徴とも言えるのではないでしょうか!

まずは下段に割り材を。せっかくなのでレッドブルを買ってきました笑

そして上段にコカレロをそっと注ぎます。コカレロとレッドブルでは比重が違うので、うまく注ぐと、、

コカレロのボトルとコカボムの画像

写真を撮った時間がバラバラなので、外の明るさが違います笑

 

こうなります!

これはいわゆる「映え」ってヤツなんじゃないでしょうか!

普段は使わない言葉なので恥ずかしいっす笑

ではさっそく味わってみましょう!とは言ってもコレはじっくりと味わうというよりは景気よく一気飲みするのが正当な飲み方だと思われますので、まずは一息で。

甘い!!!!!


コカレロの甘さに割り材のレッドブルが甘さが加わってかなり甘いです。、、と思ったらライムを絞るのを忘れていました笑

ライムを絞って、今度はよく味わって飲んでみます。

ライムによって爽やかさがプラスされますが、それでも甘いです。ですが、レッドブルの独特の風味にコカレロのこれまた独特の風味が合わさって妙にクセになる味わいです。表現が難しい……レッドブルの味が強いかな…ケミカリーな味わいです。僕は一時期レッドブル中毒だったので、たまらない味わいです笑

じっくりと味わうよりもグイッと一息でやるのに向いたカクテルですね。

アルコール度数は14度くらい。ショットで一気飲みするお酒のなかではかなり優しめなアルコール度数ですが、量がちょっと多いかな。でもスイスイ飲めちゃう!!

これはたしかにテンションがあがりますね笑

そして「コカ ボム」と言えばエナジードリンクじゃなきゃと思っていたのですが、どうやら割り材はなんでもいいようですね。

せっかくのなので「コカ」繋がりの「コカ・コーラ」でボムってみます。

パリピは実際に「ボムる」と言うそうなので、遵守させて頂きます

あ、コカボムを作るときはそーっと注がないと綺麗に2層に分かれません。

コカボムを作るときはそーっと注ぐ

そーっとね。

こんな感じでバースプーンの背を伝わせると綺麗に分かれます。ポワラーがあるともっと注ぎやすいかも。ボムを作っている画像を探してみるとポワラーから直接注いでいる画像がたくさんありました。

ポワラーはこれね。なんと専用のものがありましたよ!

 

コカレロポワラー

楽天で購入

 

そーっと注いでできた「コカ・コーラ」版のボムがコレ!

 

コカレロのボトルとコーラ版のコカボム

コカ・コーラ版「コカ ボム」

綺麗にできました笑

では一息で実飲!

おおおおお!!!

コーラのスパイシーで刺激的な甘さとよく合う!!甘さはレッドブルよりも気にならないかな。ライムを絞ることにより、甘さよりも苦みが引き立っています。

やはり「コカ」の名を冠するもの同士、相性はいいのかもしれません。コカレロのハーブ感とコーラのスパイシーさがよく合います!

個人的にはレッドブルよりも好き!これはボムじゃなくてもコーラ割りとして飲むのもあり!

コーラ割りとしてのレシピは公式ホームページでは紹介されていないので非公式なのかな?

調べたところによるとコカレロ+コーラは

「コカ・コーク」

と言うそうです。

たしかにそれ以外言いようがないよね笑

ボムは他にもトマトジュース版なんかもあるそうです。この場合はタバスコをひと垂らしするそう。

これも美味しそうだなーー。作ってみたら改めてレポートします!

 

コカレロは若者じゃなくても楽しめる

 

さて、若者でもパリピでもない41歳のバーテンダーが今更ながらコカレロデビューしてみました。笑

「コカの葉」「パリピの新定番」などの言葉が先行していて敬遠していましたが、色々調べていくうちにそのイメージは大きく変わりました。

アンデス文化に根付くコカの歴史、その歴史を敬って丁寧に作られたとてもいいお酒でしたね!

味わいも個性的で、イメージだけで敬遠するのはとってももったいないと思います。

「コカ」にあるイメージの危険性ももちろんゼロ!

ですが当然飲み過ぎれば酔っぱらいますので注意が必要です。むしろ飲みやすすぎるので、そういう意味では危険かもしれません笑

コカボムでみんなで盛り上がるのもヨシ!バーでの1杯目にジントニックじゃなく「コカトニック」をチョイスするのもヨシ!

様々なシーンで気軽に楽しめるお酒なのではないでしょうか!

是非、ウチにボムりに来てください笑

お待ちしております!!

 

 

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