2018年の4月にビール酒税法が改正されました。
最近ではすっかりと定着し、 ビアバーのような専門店だけではなく、 レストランや居酒屋などでも飲めるようになってきました。
近年、 こういったクラフト系のお酒はビールだけではなく様々なジャンル に広まってきています。
その中でも特に注目を集めているのが
「クラフトジン」
です。
まだまだ聞きなれない、という方も多いのではないでしょうか?
バー業界ではずいぶん前から注目されていたのですが、 最近では種類もより豊富になってきてクラフトジンを取り扱うお店 も増えてきているように感じます。
今回はそんなクラフトジンにスポットをあてて、 クラフトジンとはなにか?さらに飲み方や楽しみ方、 そしておすすめのクラフトジンをご紹介させて頂きます!
そもそもジンってどんなお酒?
ジンは大麦やジャガイモなどの穀類から作った蒸留酒に、ジュニパーベリー( 杜松の実)を始めとしたさまざまな植物や果皮、スパイス( これらを総称してボタニカルと呼びます) を用いて風味付けしたお酒です。
どんなボタニカルをどのように使うかによって、その 味わいは千差万別!!
アルコール度数は40%前後から60%程度までと幅広く、 銘柄によって変わりますが多くのジンは40%もしくは47%のアルコール度数を採用しています。
植物由来のハーバルな香りと爽やかな飲み口で、 そのまま飲むのはもちろん様々なカクテルにも用いられる、 バーには欠かせないお酒です。
オランダ生まれという説はもう古い?
ジンの発祥に定かなものは無く、長らく17世紀のオランダで解熱や利尿の薬用酒として生まれたと思われたいました。
ですが、最近になって11世紀にはイタリアの修道院でジュニパーベリーを用いたお酒が作られていたという記録が見つ かったそうです
というわけで、現在ではイタリアで生まれたお酒という説が有力となっています。
歴史などを書いていくとキリがないので、前置きはこのへんで。。
クラフトジンの定義とは?

実はクラフトジンには今の所明確な定義はありません。 この辺はクラフトビールと一緒ですね。
クラフトジンは、 まさしくクラフトビールのジン版といったところです。
あえて定義をあげるとすれば「 大手メーカーが大量生産したものではなく、 独立した小さな蒸留所が小規模で生産しながら、 その生産方法や原材料などに強いこだわりを持ったジン」といったところ。
こういった小規模な作り手は生産量に関しては大手に太刀打ちでき ないため、少量生産で質を重視し、作り手の個性が溢れるジンを造ります。
中には年間数百本しか生産していないというものまで存在しています。
そして作り手の個性やこだわりが顕著に表れるのが「ボタニカル」です。
ボタニカルって?

「ボタニカル」は直訳すると「植物」となります。
ジンにおいてのボタニカルは、 その風味を決定づける非常に重要な役割を果たしています。
そしてジンに必ず用いられるボタニカルが「ジュニパーベリー」です。

あまり聞きなれないものですが、和名では<「杜松の実(ねずのみ) 」と呼ばれています。
杜松は日本では庭木や盆栽などにも用いられており自生もしている木なので、 もしかしたら知らずに見かけているという事もあるかもしれません ね。
この「ジュニパーベリー」をはじめ「コリアンダーシード」「 カルダモン」「シナモン」「アンジェリカ」「 レモンやグレープフルーツの柑橘類の皮」などはクラフトジンだけに限らず、 多くのジンに使われているボタニカルです。
ボタニカルの種類や使い方がクラフトジンとしての個性を生み出す大きな要因のひとつとなっています。
例を挙げてみると、ゴボウ、タンポポの根、白樺の木の皮、 生のパクチー、クランベリー、クローバー、 などと挙げていくとキリがありませんが、 今までのジンではあまり用いられなかったボタニカルがクラフトジ ンには多く使われています。
ジンには「 穀物から作った蒸留酒にジュニパーベリーを用いる」という定義以外はないので、 この辺りの自由度はとても高いようです。
また、その土地で採れるボタニカルを使用するというのも面白いポイントです。
さらに、アメリカのバーボンやメキシコのテキーラ、 そしてシャンパンなどのように生産地が限定されているお酒ではないので、 世界中どこででも作れるお酒というのも面白いポイントです。
それが「クラフトジン」にはさらに面白く作用し、 その土地のボタニカルを使用して作る「地酒」のような面白さも特徴的となっています。
既存のジンとクラフトジンの違い
少量生産でこだわりを持って生み出されたジンというのが「クラフトジン」の大まかな定義ですが、では既存の大手メーカーのジンが悪いのか?というと、もちろんそんなことはありません。
長い歴史で培われた経験や知識、 そして安定した生産力とブレのない品質など 大手メーカーにしかできないこともたくさんあります。
その違いを楽しむのも、 ジンの楽しみ方のひとつではないでしょうか?
特にこだわりの強いクラフトジンの中には値段が張るモノも多く、 なかなか手が出しづらいという事もあります。
クラフトジンを用いたカクテルは当然面白いものが 出来上がりますが、 その分カクテル1杯の値段も高くなるというのが現実です。
シチュエーションや飲み方によって、 既存の大手ジンとクラフトジンを飲み分けてみるのもいいかもしれ ませんね!
ですが普段自分で買うことがないようなお酒を1杯から楽しめるのがバーの良いところ。
クラフトジンの飲み方は?楽しみ方は?

クラフトジンの種類は非常に豊富です。 それによって飲み方や楽しみ方も変わってきます。
一番はバーに行ってバーテンダーに聞くのがおすすめです。
別に飲み方に決まりがあるわけではないので好きなように飲んでも いいのですが、 個人的にはクラフトジンの豊かな風味を生かした飲み方、 楽しみ方をおすすめしたいと思います。
そのまま飲むのが僕は好きですが、余計な香りがつかないようにソーダで割ったり、 王道の組み合わせトニックウォーターを加えたジントニックなどがおすすめです。
ジンはウィスキーのように樽での熟成という工程を挟むことはほと んどありませんが、中には樽熟成したモノもあります。
シンプルな飲み方ばかりですが、 せっかくの豊かな風味をコーラや甘いジュースなどでは割りたくな い、というのはバーテンダーの本音かもしれません笑
とはいえ決まりがあるわけではありません。自分好みの組み合わせを探して楽しむのもおすすめです。
Night Marketで実際に飲めるクラフトジン7選
ここからは当店でも扱いのあるクラフトジンの一部をご紹介したい
モンキー47

今までのジンの概念を覆す47種類ものボタニカルを使用した衝撃 の味わいで、 クラフトジンブームの火付け役となったジンの1つです。
テイスティングコメント
フローラルでハーバル。 非常に華やかな香りの中に純粋なジュニパーの香り。
ジーニー ベツァオバーント

オーストリアにて母娘で営んでいるワイナリー兼蒸留所が生み出す、年間生産わずか800本のクラフトジン。
テイスティングコメント
ジュニパーや柑橘の他にワサビの様な青っぽいピリっとしたハーブ感と、 サイダーやグレープフルーツソーダのような爽快感。
ポリ イタリアンジン マルコーニ46

ジン発祥の地とも言われるイタリアのジン。
イタリアの「 グラッパ」というブランデーを作る老舗蒸留所「ポリ」 が生み出すクラフトジンは、「クリソペア」という世界で唯一の真空蒸留器を用いて生み出される。
使用するボタニカルの中にはブドウや松、 ミントなどの珍しいものも。
テイスティングコメント
濃厚なジュニパーの香りと松やミントのフレッシュな香味。
ジークフリート ドライジン

ドイツ産、少量生産で伝統的な製法で蒸留される新しくもクラシックなジン。
18種類のボタニカルの中には「菩提樹の花」が含まれている。
という伝説にちなんでいる。
テイスティングコメント
フローラルな香りの中にハーブと青っぽいような発酵系のアロマ、 コショウのようなスパイス感。
ニッカ カフェジン

日本のウィスキー界の大御所「ニッカ」が作るクラフトジン。
「 カフェ式蒸留器」は1830年頃に発明された蒸留器で、 ニッカでは1963年に導入されいまだ現役を貫いている。
テイスティングコメント
山椒の青っぽく濃厚なスパイシーさとピリッと感。 和柑橘の爽やかな香り。
ミッケラー ボタニカルジン

伝説的なクラフトビールの作り手「ミッケラー」 が生み出すクラフトジン。
「シムコ―ホップ」 ベースのエールビールをから作る贅沢な蒸留酒をベースにしている 。
テイスティングコメント
ボタニカル由来のハーバルな香りと、 エールを蒸留したという贅沢な作りを感じる麦のような芳醇な香り 。
ホップを感じる香りの印象そのままなビターで濃厚な味わい 。
シップスミス VJOP ブラック

クラフトジンブームの火付け役の1つとなったイギリス、 ロンドン生まれの「シップスミス」。
名前にある「VJOP」とはフランスのブランデーの熟成度合いを表す「VSOP」のもじりで「ベリー・ジュニパー・ オーバー・プルーフ」を表した頭文字。
ジュニパーベリーを同社のスタンダード品の約2倍も使用して、 よりドライな味わいに仕上げられている。
アルコール度数は57.7%!!
テイスティングコメント
タップリと使われたジュニパーのどっしりとした重厚感のある風味 と、 スパイスがもたらす複雑さを爽やかな柑橘の風味がすっきりとまと めてくれている。
高アルコールから来るアタックと、 ドライでキレの良いシャープな味わいはジントニックにピッタリ。
さいごに
今回は「クラフトジン」をご紹介いたしました。
現在世界中でブームとなっている「クラフトジン」は、 どんどん新しいものが生み出されてきています。
のるしかない、このビッグウエーブに!!
お店には他にもまだまだジンをご用意しています。
是非奥深いクラフトジンの世界を体験してみてください!
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