本場のモヒートに使うのはイエルバブエナ!歴史からクラシックなキューバレシピまで、モヒートについてのアレコレ!

カウンターに並んだラムとミントとライム モヒートの材料
雨続きのジメっとした日が続いています。
 
僕のお店「Night Market」(ナイトマーケット)は標高約1000mの場所にあるので比較的涼しい地域ではありますが、日中はそれなりに暑くなります。これから夏を迎えて暑さでぐったりとする日も増えていくでしょう…
 
そんな季節にたまらなく飲みたくなるのが「モヒート」なんです。
 
 
ここ何年かですっかりと定着してきたモヒートですが、実際にお店に来る方の中には
 
「モヒートって名前は知っているけど、ミント以外には何が入ってたっけ?」
 
という方も多く、意外と知られていない部分も多いように感じます。
 
そこで今回は本場キューバのレシピやモヒートの歴史、逸話など様々な観点からモヒートを徹底解剖して、その魅力を存分にお伝えしたいと思います!
 
歴史や成り立ちなどを知り、より深くモヒートを楽しんでいただければ幸いです!!
 

そもそもモヒートってどんなカクテル??

 
カウンターの置かれたモヒート
 
ヒートはラム、ミント、ライム、砂糖などの甘味、ソーダを合わせて作るロングカクテル。
 
ラムの華やかな甘さとミントの爽やかな風味、ライムと砂糖の甘酸味が一体となった爽やかな飲み口が、暑い季節のクールダウンにピッタリのカクテルです。
 
15年くらい前でまでは
 
「モヒート???なんじゃそら?」
 
というようなカクテルでしたが、007シリーズの「ダイ・アナザー・デイ」や「マイアミバイス」などの映画に登場したり、メーカーなどの地道なキャンペーンが実を結んだりなどのおかげもあって、ここ数年で一気に知名度が上がってきています。
 
昔は限られたバーでしか飲むことができませんでしたが、いまでは居酒屋やレストラン、カフェなどでもモヒートを楽しめるようになってきました。
 
さらには缶入りのモヒートやソーダを加えるだけでできる瓶入りのモヒートなど、自宅でも気軽に楽しめるようになり、お酒が好きならば1度は飲んだことがある!というカクテルにまでなりました。
 
 
いろいろなスタイルで飲むことができるモヒートですが、やはり生のミントをたっぷりと使って作るモヒートが最高なのは間違いナシ!

モヒートのベースはラム酒

 
ハバナクラブ3年のアップ画像
 
現在では様々なお酒をベースにしてレシピも豊富なモヒートですが、正式なモヒートはラム酒をべースとしたカクテルです。
 
ラム酒はサトウキビから作る蒸留酒で、1700年代頃からカリブ海で発展していったお酒
 
スコットランドのスコッチウィスキーや、フランスのシャンパンなどのように生産地域が限定されていないため、世界中で作られています。
 
あまり知られていませんが、日本でも沖縄や滋賀などに世界でも有名なラム酒の蒸留所があったりします。
 
ラム酒は南極大陸以外のすべての大陸で造られていて、その数は40000銘柄以上とも言われる世界中で愛されるお酒です。
 
いままではラムを使った代表的なカクテルと言えば「ダイキリ」や「キューバリブレ」などが一般的でしたが、最近では「モヒート」を思い浮かべるというかたも多いかもしれません。
 

モヒートの産みの親は海賊?どのように広まっていった?

 
船上にいる髭面の海賊

jacqueline macouによるPixabayからの画像

 
モヒートの歴史は意外と古く、1568年に「リチャード・ドレイク」という人物が「モヒート」の前進となる「エル・ドラケ」というカクテルをキューバへ伝えたという説が有力となっています。
 
「エル・ドラケ」のレシピは今のモヒートとだいたい同じ。約450年前に似たようなカクテルが飲まれていたなんて驚きです!!
 
そしてこの「リチャード・ドレイク」なる人物はなんと海賊!!
 
さらにカクテル名の「エル・ドラケ」というのは「リチャード・ドレイク」のボスだった海賊「フランシス・ドレイク」に由来しています。
 
「エル・ドラケ」には悪魔やドラゴンといったような「恐るべきモノ」というような意味があり、「フランシス・ドレイク」は恐ろしい海賊として名を馳せて「エル・ドラケ」の通称で呼ばれていたそう。
 
恐怖の海賊として名を馳せていたボスの名前を自分が考えたカクテルの名前に…
 
尊敬と畏怖の念を込めて付けたのか、それともめちゃくちゃなブラック上司にビビッて付けたのか…
 
とにかく漫画や映画のような話です!
 
当時の「エル・ドラケ」はラム酒ではなく「アグアルディエンテ」という、ラムに似たもっと荒いお酒をベースにしていたそうです。
 
アグアルディエンテは現在でもコロンビアの国民酒として親しまれています。ラムを製造段階の途中で切り上げたような荒々しいお酒で、サトウキビの風味が特徴的です。
 
その後「エル・ドラケ」は19世紀後半にベースの酒を現在でも有名な「バカルディラム」に切り替えて作られるようになりました。
 
 
1920年代にはキューバの国民的カクテルとして広まっていき、キューバ国内で爆発的な人気を得るようになります。そしてこの頃に名前が「エル・ドラケ」から「モヒート」へ変化したと考えられています。
 
1959年のキューバ革命により「バカルディ社」は資産を没収されたためキューバ国外へ亡命、その後は「ハバナクラブ」というキューバ産のラムを用いてモヒートを作るのが主流となります。
 
そしてそれは現在でも続いており、モヒートを作るなら「ハバナクラブ」というのが本場キューバのスタイルなのです。
 

モヒートという名前の由来は??

 
露光で撮影した、光によるクエスチョンマーク

StockSnapによるPixabayからの画像

 
「モヒート」という名前の由来には3つの説があります。
 
カナリア諸島で生まれたピリ辛の調味料「mojo Sauce(モホソース)」のモホから取ったという説。
 
もう一つはスペイン語の「mojar(濡らす)」からきているという説。
 
もう一つはアフリカの言葉で「魔法をかける」というような意味の「Mojo(モジョ)」から取ったという説。
 
どれも「なぜそこから取ったのか」という感じもしますし、なんだかわかるような気もします。が、今となっては真相はわかりません。
 
個人的には最後の説がロマンを感じるので好きです。ウマいモヒートを飲んだ時は魔法にかかったような気分になりますしね!なんて言ってみたり。

ヘミングウェイとモヒート

 
バーのカウンターに座るヘミングウェイの銅像

Anne & Saturnino MirandaによるPixabayからの画像

 
世界的に有名な文豪「アーネスト・ヘミングウェイ」は一時期キューバに住んでおり、キューバ産の葉巻やお酒、そしてカクテルを好んでいました。
 
1940年代頃にハバナ旧市街のバー「ラ・ボデギータ・デル・メディオ」に通い詰め、ここのモヒートを愛飲していたと言われています。
 
このお店は現存していてモヒートの名店として今でも有名です。世界中からくるお客さん全員がモヒートを頼むのだとか。
 
 
 
ラ・ボデギータに掲げられたヘミングウェイの言葉を記したプレート

frejkaによるPixabayからの画像

同店には「わがモヒートはボデギータにて、わがダイキリはフロリディータにてというヘミングウェイの言葉を記したプレート掲げられており、ヘミングウェイはそんな言葉を残すほどにこの店のモヒートを愛していたそうです。

「エル・フロリディータ」はボデギータと同じくハバナ旧市街に現存する「ダイキリ」というカクテルで有名なバー。ちなみにヘミングウェイが愛したダイキリは「パパ・ダイキリ」と呼ばれ、通常のレシピとは違ったパンチの効いたカクテルです。その話はまた別の機会にでも。。

 
モヒートを広めた人物の1人には、こんな歴史的な人がいたのですね。
 

モヒートの正式なレシピ

 
手に持ったライム 
 
モヒートにはこれと言って「正式なレシピ」がありません。カクテルブックによってもレシピが違ったりします。
 
あえて「正式なレシピ」をあげるとすれば、古くからモヒートを作り続けきた「ラ・ボデギータ・デル・メディオ」のレシピがモヒートの「正式なレシピ」と言っても良いのではないでしょうか?
 
いろいろなお酒が簡単に手に入る現代ではモヒートにも様々なバリエーションがあっていいと思いますが、クラシックなレシピとして一度は飲んでおきたいのが「ラ・ボデギータ」のスタイルです。
 
とはいえキューバまで行くのはとても大変!
 
ですが、そんなに難しいことはありません。レシピを知れば家でも「ラ・ボデギータ」のスタイルを再現出来てしまいます。当然まったく同じという訳にはいきませんが、近いモノができるのではないでしょうか。
 
というわけで正式な「ラ・ボデギータ」のレシピをご紹介します。「Night Market」でもこのレシピを採用しているので、作るのがめんどくさいかたは飲みに来てください!
 

モヒート(ラ・ボデギータ・デル・メディオ レシピ)

  • ハバナクラブ3年 45ml
  • ライムジュース 15ml(ライム1/2~)
  • 砂糖 小さじ1.5
  • ガス入り水 90ml
  • イエルバブエナ 適量

作り方

1.大ぶりのグラスにライムを絞る
 
2.砂糖を加える
 
3.イエルバブエナを茎のままたっぷりと加える
 
4.ガス入り水を加える
 
5.棒などでミントを良く潰す
 
6.ラム酒(ハバナクラブ3年)を注ぐ
 
7.氷を加え、ストローを差す
 
 
以上がラ・ボデギータ」のレシピです。いくつか補足をしていきます。
 
ラムは「ハバナクラブ  3年」です。これは本場のレシピで作るならば欠かせないポイント。すこし喉に引っかかるようなドライな飲み口のラムです。
 
ライムは熟し具合にもよりますが、だいたい半分位を絞ればちょうどいい量がとれると思います。手で触って少し柔らかさを感じるくらいの固さのライムがおすすめです。
 
砂糖はきび砂糖などの味の濃いモノがよく合うように思います。
 
日本のバーでは普通の炭酸水を用いることが多いですが、「ラ・ボデギータ」ではペリエのようなガス入り水のようなものを用いています。
 
そして最大のポイントでもあるのが「イエルバブエナ」です。
 
イエルバブエナは本場のモヒートに欠かせないハーブの事。直訳すると「よい草」というような意味を持っており、様々なイエルバブエナがキューバにはあるそうです。
 
モヒートに用いるイエルバブエナは、スペアミントとパイナップルミントの配合種のミントのことです。青っぽい香りが強く、ワイルドな風味が特徴的。
 
流通は少なく、ごく稀にネットなどで買うこともできます。苗は比較的手に入りやすいので、自家栽培がおすすめ。プランターなんかでも十分に育ちます。本場の味を楽しむならば是非手に入れてみて下さい!
 
Night Marketのモヒートはもちろんイエルバブエナを使っています。店の横の畑でわんさか生えているので、大量のイエルバブエナを贅沢に使ってお作りしますよ!
 
Night Marketの畑で栽培中のイエルバブエナ

Night Marketで栽培中のイエルバブエナ

 
さて、読まれている方には「カクテルを作ったことがあるよ」という方もいるかもしれません。そんな方にはこの作り方に少し違和感を覚える方もいるのではないでしょうか?
 
「炭酸水を先に入れてからミントを潰せば、炭酸のガスが抜けてしまい気の抜けた味になるだろう。」
 
という心配をするのではないでしょうか?
 
もしバーでの勤務経験があればミントの茎はエグ味がでるからとるように」と教えられた事がある方もいるかもしれません。
 
たしかにその通りです。
 
ですが、「ラ・ボデギータ」ではそんなことはお構いなしです。面白いくらいワイルドにモヒートを作ります。
 
YOUTUBEで「ラ・ボデギータ」と検索すると、めちゃくちゃワイルドにモヒートを作っている動画を見ることができます。興味がある方はチェックしてみて下さい!!
 
そしてこのレシピで作るモヒートが、1番美味しいと僕は思います。
 
是非試してみてくだいね!
 

家飲み用 簡単アレンジレシピ

 
とはいえ
 
「いろいろ用意するのがめんどくさい、特にイエルバブエナってなんだよ。。」
 
って思いますよね。
 
ですが大丈夫、モヒートは懐の深いカクテル。そして別に法律でレシピが決められているわけではありません。自分なりにいくらでもアレンジが可能です。
 
ここでは家飲み用の簡単アレンジレシピ、フルーツを加えたアレンジモヒートなどのレシピをご紹介いたします。
 

モヒート(簡単アレンジ)

  • お好みのラム酒
特になければ1000円前後のモノでいいと思いますが、ハバナクラブ3年も値段はこれくらいです。少しドライなタイプなので、好みによって甘さが効いたラムに変更してもいいと思います。バカルディで作っても美味しいです。
 
  • ライム(なければレモン)
ライムの方がキリッとした味に仕上がりますが、レモンでもオッケーです。レモンの場合は酸味が強くなるのでお好みで量を調整してみてください。
 
  • ミント(スペアミント、もしくはペパーミント)
イエルバブエナはバーでも取り扱いがない場合がほとんど。だいたいスペアミントやペパーミントで代用しています。個人的にはスペアミントの方が爽やかでバランスよく仕上がるのではと思います。ペパーミントの方がミントの香りが強く出ます。アップルミントなどはあまりモヒートには合わないと思います。
 
  • 炭酸水
炭酸はコンビニで手に入るものでOKですが、純粋な炭酸を選んでください。味がついているようなのはおすすめしません。
 
  • 砂糖
お好みで上白糖でもグラニュー糖でもOK。家にある砂糖で十分です。シロップを選ぶ場合はピュアなサトウキビシロップがおススメですガムシロップやメープルシロップなどはあまり合わないのでおススメしません。
 

作り方

1.容量450ml程度のグラスにラムをお好みの量注ぐ。
 
30~45ml程度がおすすめ。お酒が弱めの方には15~20ml程度。
 
2.ライム、もしくはレモンを絞る。
 
砂糖で甘みの調整ができるので思い切って絞りましょう。半分くらい豪快に使うのがおススメです。
 
3.砂糖を加え、ソーダを少し加える。
 
砂糖の場合はよく溶かしながら、シロップはよく混ぜる。少し加えたソーダで砂糖を溶かします。自分好みの甘みと酸味のバランスを見つけてみましょう。
 
4.ミントを加えてよく潰す。
 
ミントはどさっと入れたほうが美味しいです。そしてここで1度味見を。好みでラムや酸味、甘味を調整しましょう。
 
5.氷を加え、ソーダを注ぐ。
 
氷はグラスのフチまでたっぷりと。ソーダは適度に。
 

フルーツを入れる場合

上記のレシピに、桃やカットしたパイナップルを加えるなど、旬のフルーツを加えた「フルーツモヒート」もおすすめです。
 
フルーティーでさっぱりとした「フルーツモヒート」は誰でも飲める美味しいカクテル!フルーツの甘みがあるので、砂糖の量や酸味の量で味を調整してみましょう。
 
どのフルーツもミントと同じタイミングで加え、よく潰してしっかりと混ぜてください。
 
フルーツが入るため量が増えるのでグラスの容量を大きくするか、全体量を少なくしてみてください。
 
フルーツは今の時期だとマンゴー、キウイ、パイナップル、桃、スイカなどがおススメです!
 
 

まとめ

 
モヒート飲みたくなりましたか?歴史から知るとまた違った楽しみ方ができるのではないでしょうか?
 
最近ではすっかりと定番のカクテルとなってきた「モヒート」ですが、クラシックなキューバレシピで提供してくれるお店はそこまで多くありません。
 
これを参考に本場キューバの味を楽しんでみてはいかがでしょうか??
 
ちなみに「Night Market」ではノンアルコールのモヒートもご用意しています。
 
ラムの原料となる「モラセス」を使っているので、ただのミントソーダとは5味くらい違います!
 
 
今年の夏も暑くなりそうです。モヒートをたっぷり飲んで、暑い夏を乗り切りましょう!!
カウンターに並んだラムとミントとライム モヒートの材料

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