「チェアマンズ リザーブ フォーガットゥン カスク」をテイスティングしてみた。

テイスティングシリーズ第3弾。今回はラムを飲んでない人には聞きなれないであろう島、カリブ海に浮かぶ「セントルシア島」のラムだよ!

今回も5年前の僕が素性を隠してカッコつけて書いてます笑

チェアマンズ リザーブ フォーガットゥン カスク

 

カリブ海に浮かぶセントルシア島。島唯一の蒸留所「セントルシア・ディスティラリー」によるラム。

 

セントルシアはイギリス連邦加盟国の小さな島。

 

1979年にイギリスから独立するが、その前は長くフランス領だったらしい。

17~18世紀の間にはイギリスとフランスで14回も領有権が変わったんだそうな。

公用語は英語らしいが、現地語はクレオール語。

クレオール語はフランス語に影響を受けているらしい。

 

おそらく様々な文化がミックスされているんだろう。現地の人はたまったもんじゃないだろうが、とても興味深い島だ。

農業においてはサトウキビよりもバナナが主流とのこと。

道路も少なく、内陸部ではいまだにラバが交通の主流なんだとか。

いつかは行ってみたいね。

 

そんな小さな島で造られるラムが、この

「チェアマンズ・リザーブ」

これはセントルシア・ディスティラリーの代表商品だが、このラムにはさらに「フォーガットゥン・カスク」という名前が付け加えられている。

そして名前に加え、面白いストーリーも付いてくるのだ。

 

2007年5月に蒸留所は大火災にあったそうな。その火事により、熟成庫の一部も燃えてしまったらしい。

それにより、一部の樽は別の場所へと移動しなければならなくなったそうだ。

移動にあたり熟成庫に眠っていた樽をチェックしていると、管理から漏れて放置されていたものが発見される。

 

管理漏れで忘れてたんだって。。

このあたりのいい加減さがカリブの小さな島の小さな蒸留所らしくてとてもいい。笑

グアテマラ産の世界的なラム「ロン・サカパ」なんかはすべての樽をコンピューターでしっかりと管理しているらしい。

こんな珍事は絶対に起きることがないだろう。

その管理漏れしていた樽を試飲してみた結果、極めて良い熟成を遂げていたため特別に瓶詰することを決定したそうな。

まさしく「フォーガットゥン・カスク=忘れらた樽」という面白いシロモノだ笑

 

ジムビーム、ジャックダニエル、バッファロートレースの空樽で熟成されていた様々な原酒をブレンドしたのち、更に5年間アメリカンオークで熟成させたという手間のかかった1本。

セントルシア・ディスティラリーのラムは単式蒸留の原酒と、連続式蒸留の原酒をそれぞれ熟成させ、社長自らそれらをブレンドして生み出されているそうだ。

長くフランス領であったが、ラム作りにおいてはイギリスの影響を受けているようだ。

単式と連続式のブレンドなんてのは、完全にブレンデッド・ウィスキーの作り方だもんな。

なんだかいろいろと面白そうな1本だ。

 

テイスティングノート

 

さて、気になる香りはというと。

濃厚でスパイシー、コーラのようなイメージ。

強く甘い香りだ。

アルコールが少し立つが、時間が経ってより濃厚な甘い香りへと変わっていく。

浅煎りのフルーティーなコーヒー、キャラメル、ハチミツを感じるように変化。

 

口に含むと、香りからくるスパイシーさよりは穏やかな甘みの口当たりだ。

甘さ、苦さ、スパイシー、複雑な風味だ。

様々な樽を渡り歩いた人生経験か。忘れられた寂しさか。火事にあった悲しみか。

甘いだけの人生じゃツマらんぜという気概を感じる。

 

どっしりとしているが、キレのよいフィニッシュ。

時間とともに丸みも出てくる。

いろいろあったからこそ優しくなった。そんな高倉健のような背中を見せてくれるいぶし銀な1杯だ。

1杯1000円也。

 

なんか

 

最後ふざけだしたな。。

匿名だからこそ書けるふざけた感想ですが、なかなか面白いなー笑

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