バツゲームで一気飲みするイメージは誤解??本当はゆったりと楽しみたいお酒「テキーラ」の飲み方について その1

ナイトマーケットのカウンターの上に並んだテキーラのボトル

最近Night Marketでもファンが増えてきた「テキーラ」。

テキーラと聞くと

「うわぁ、、あの罰ゲームで一気飲みさせられるキツくてまずい酒でしょ、、」

という乱暴なイメージを持っているかたも多いんじゃないでしょうか?

まあ、あながち間違いでもないのですが、そのイメージだけでテキーラを飲まないというのはもったいなさすぎ!

テキーラには作り方や熟成年数などによってわけられるいくつかの種類があり、その味わいは千差万別。熟成の長いテキーラを一度味わえば、そんな乱暴なイメージは一気に吹っ飛びます!

今回はテキーラについてのアレコレや、Night Marketで飲めるテキーラをいくつかご紹介していきたいと思います!

長くなりそうなので、いくつかに分けていきます。

是非最後までお付き合いくださいまし!

 

そもそもテキーラってなにから作ってる?サボテン??

テキーラをあまり飲んだことがないというお客さんにどんなイメージかを聞いてみると

罰ゲームで一気飲みするまずい酒

とにかくキツい酒。アルコール90度くらい?

メキシコのサボテンから作る酒だっけ?

だいたいこんなイメージを持たれています。

なんとなくそのイメージもわかる気がしますが、これらのイメージは誤解も多いのです。

まずテキーラが作られている国は「メキシコ」で正解です。

が、サボテンから作られているというのは間違い。

原料となる植物は「アガベ」という名前。和名では「竜舌蘭」(リュウゼツラン)と言います。

「蘭」の文字があるので蘭に近い植物かと思うかもしれませんが、それも間違い。厳密にいうと「キジカクシ目キジカクシ科」という分類の植物になるそうです。

多肉植物ではあるので、それが「サボテンから作られる酒」という誤解に繋がっているのかもしれませんが、見た目はサボテンというよりはアロエに近い感じです。

畑に並ぶアガヴェの画像

これがアガベ!

このアガベには100種類以上もの品種があります。が、テキーラを作るのに使える品種はなんとたったの1つのみ!!!

それは「アガベ・テキラナ・ウェベル・バリエダ・アスル」という品種。「ブルーアガベ」や「アガベ・アスール・テキラーナ」などとも呼ばれます。

 

アガベのどの部分がテキーラになる?

このアガベのどの部分がテキーラになるのでしょうか?

お酒にするのは「ピニャ」と呼ばれる茎の部分だけで、アガベをまるまる使うわけではありません。

葉っぱを切り落とし、まるまるとした大きな「球茎」と呼ばれる部分を使います。

ちなみに「ピニャ」というのはスペイン語で「パイナップル」を意味するそうです。

葉を切り落としたアガベ ピニャを呼ばれる部分が露出している画像

葉を切り落としたアガベ。ピニャの見た目はパイナップルにそっくり!

ピニャの重さは30~100キロにもなるそうです。

そしてその大きまで育つのにかかる年数は最低でも5年以上!!長いものでは10年以上のアガベを使うこともあります。

手間暇と時間をかけて育てた原料で作られているのですね。

これだけでも少しイメージ変わりませんか?適当な材料で乱暴に作っているような酒ではないのです。

 

100%アガベとミクスト

「そんな手間と時間をかけてるのに、なんであんなまずいの?」

と思う人もいるでしょうか?

テキーラは大きく2つに分類することができます。

それが「100%アガベ」と「ミクスト」です。

いわゆる一気飲みに使われるテキーラのほとんどがこの「ミクスト」。

まず、テキーラはさまざまな厳しい条件をクリアした作り方をして、初めてテキーラを名乗ることができます。

ワインでいうところのシャンパンのようなイメージです。

その条件とは

  • メキシコテキーラ5州で蒸留しなければならない
  • 使用するアガベもテキーラ5州で採れたものでなければならない
  • 原料はアガベ・テキラナ・ウェベル・バリエダ・アスル種のアガベを51%以上使用しなければならない
  • 蒸留所に割り振られたNOMナンバーをラベルに表記しなくてはならない
  • 最低2回の蒸留を行わなければならない
  • アルコール度数が35〜55度でなければならない

 

と、このような厳しい条件があるのですが、ポイントは「原料はアガベ・テキラナ・ウェベル・バリエダ・アスル種のアガベを51%以上使用しなければならない」というところ。

つまり残りの49%の原料はアガベである必要はないのです。

ではなにを原料にしているのか?それはトウモロコシやサトウキビ由来の糖蜜などを利用することが多いそうです。

糖蜜って聞いてもいまいちピンとこないですが、日本だと「キンミヤ焼酎」のような比較的安価なお酒の原料に利用されています。

このようにアガベとそれ以外の原料のお酒を混ぜて作るテキーラのことを「ミクスト」と呼びます。

クラブで一気飲み!みたいなテキーラはだいたいミクストテキーラだと思います。有名なのは「クエルボ」とかですね。

 

このミクストテキーラははっきり言って悪酔いします。(たくさん飲むと)

これにはアルコールに含まれる不純物が関係しているのですが、そこはとりあえず置いておきましょう。

ですが「ミクストテキーラだけが悪い」というわけでもありません。テキーラのアルコール度数はだいたい40%。40%の酒をストレートでパカパカ飲めば、それは悪酔いもするでしょう。

では悪酔いしないテキーラなどあるのか?

それがあるんですね。(これも飲酒量にもよりますが。。)

「51%以上のアガベを使用しなければいけない」とありますが、もちろん原料の100%をアガベにしてもいいのです。

それが「100%アガベ」のテキーラ。

こういった100%アガベのテキーラは「プレミアム・テキーラ」などとも呼ばれ、ミクストに比べると値段も高くなります。

ですが味も風味もミクストに比べると各段に華やかで美味しい!

ドン・フェルディナンド アネホのボトル 100%テキーラの文字が書かれている

ボトルに書かれた「100% DE AGAVE」の文字。100%アガベのテキーラには必ずこの表記が。

中には品質にこだわり「二日酔いしないことを保証する」というものまであります。

これは先ほどのアルコール内に含まれる不純物の除去に力をいれているからなのですが、こういった100%アガベのテキーラをじっくりと飲むだけでテキーラのイメージは大きく変わると思います!

ミクストのテキーラのほうが安価で手に入りやく、勢いをつけるのには確かにいい酒です。一気飲みでテンションをあげるのが楽しいのもめちゃくちゃわかります笑

ミクストもプレミアムもあってのテキーラですしね。

ですが、そのイメージだけではテキーラの魅力を半分しか楽しめていません。そしてそのイメージだけが先行しているのはとても悲しくもあります。

 

アガベは足りていない

近年の世界的なテキーラ人気もあり、アガベ不足はかなり深刻な問題となっているそうです。

それもそのハズ。

テキーラに使用できるアガベは品種も産地も限定されています。しかも生育には最低5年以上もかかる。。

これはお酒の原料としてはかなり異例です。

ウィスキーの原料となる麦は毎年必ず収穫できます。ラムの原料となるサトウキビも同じ。お酒の原料の生育時間なんて、1年もかからないことがほとんどなんです。

むしろそんな原料使ってるのなんてテキーラくらい?

このアガベ不足はかなり深刻で、しかもしばらく続くと言われています。

原料の作付増加戦略が実を結ぶまでには年数がかかるため、アガベ不足は2121年まで続く見通しだと、生産者は指摘する。

アングル:メキシコでテキーラ原料不足が深刻化、人気が裏目に

 

2121年って、、100年以上先!!!

原料の高騰により、テキーラは気軽に飲めるお酒ではなくなるかもしれません。

だからこそ安価なテキーラを悪いイメージのまま飲むのではなく、じっくりと楽しむ大人の酒というイメージが定着するといいなあとテキーラファンの僕なんかは思うのです。

余計なお世話でしょうけど。。笑

 

まとめ

なんか話がそれてきましたね。笑

とりあえずテキーラのイメージが少しはいいものになったでしょうか?

長くなりそうなので、今回はここまで!

次回は熟成による種類の違いなんかについて書いてみたいと思います!

ナイトマーケットのカウンターの上に並んだテキーラのボトル

コメントを残す